この書籍は、直木賞作家の西條奈加さんが描く、
江戸時代に九度も蝦夷地に渡った実在の冒険家・最上徳内の物語です。
最上徳内は、出羽国の貧しい農家に生まれながら、算学の才能に恵まれ、
幕府の蝦夷地見分隊に随行します。
そこで出会ったアイヌの人々との交流を通して、
彼は北の大地とその文化に魅了されていきます。
松前藩との確執や幕府の思惑など、様々な困難に直面しながらも、
彼は本当のアイヌの姿を世に知らしめたいという想いを抱き続けます。
この小説は、歴史的事実に基づいて綿密に描かれた、
壮大なスケールと感動的な人間ドラマが魅力です。
著者の西條奈加さんは、『心淋し川』で直木賞を受賞したほか、
『四色の藍』『睦月童』など、時代小説やファンタジー小説を得意とする作家です。